八王子の歯医者に行ったこと

浪人するのは一回までね、と親から念を押されている。
予備校通いはお金がかかるし、賢い人なら現役で大学に合格するのが普通なんだから。
分かっていながら、自分は滑り止めで受けた大学に妥協して通う気にもなれず、浪人になる道を選んだ。
大学は、奨学金で通うことも決めている。
進学したいのは、私立の歯学部だから。

高校で進路相談をしたときも、歯医者は飽和状態だと言われた、
美容院が増えるのと同じくらいかそれ以上のスピードで、歯医者が増えている事実も知っている。
自分は、開業したいとは今のところ思っていない。
ただ、自分も誰かを元気にできる歯医者さんになりたいと思った。

そう思ったきっかけは、八王子の歯医者に行ったことだった。
何気なく行った、初めての歯医者。
歯医者にしょっちゅう行ってたわけじゃないけど、歯について気になっていることはたくさんあった。
忙しい時間帯だったにも関わらず、そのときの歯医者さんは親身に話を聞いてくれたのだ。

歯医者じゃなくても、内科の医者でも良かったのかもしれない。
でも、自分にとっては初めて親以外で自分の話を熱心に聞いてくれる人が歯医者さんだった。
それから、単純な自分はその人みたいな大人になりたくて歯医者になる道を選んだ